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イスラム学


 イスラム学は西暦七世紀に生まれたイスラム文化を古典期から現代まで、またイスラム文化を構成するさまざまな要素を幅広く研究する専修課程である。イスラム文化といっても研究対象は広く、クルアーン・ハディースから、文法学・法学・神学・文学・哲学・スーフィズム・医学・天文学などの学問分野、さらには現代のイスラム原理主義運動やヨーロッパでのイスラム教徒の動向までもが含まれる。文学部のさらに下位区分である思想文化学科の一専修課程でありながら、対象は、総合大学の学問分野全体が含まれるほど間口が広い。これらの対象を総合してイスラム文化の核心に迫るのがわれわれの目的である。研究対象を何にするかによってアプローチの仕方は変わってくる。例えば、中世の思想文献を研究する場合と現代のイスラム教徒の政治的動向を研究する場合ではおのずと研究方法が違ってくる。だがいずれの場合でも文献(特にアラビア語文献)の正確な理解が要求されることに違いはない。そのためイスラム学では文献読解能力養成を重要視している。

 文献が充実していることもイスラム学の特質の一つである。アラビア語・ペルシア語・トルコ語原典や西洋の研究書で研究に不可欠なものを大量に所蔵しており、百年に一度、必要とされるかされないか、という文献も積極的に集めている。構内の東洋文化研究所と蔵書に関して協力関係にあり、できるだけ重複しないように蔵書を増やしている。イスラム学と東洋文化研究所の蔵書をあわせると日本でも有数のイスラム関係の資料数がある。蔵書は赤門総合研究棟八階の研究室と法文三号館の文学部図書室の二箇所に配架されている。研究室には辞書・事典・文法書などの工具類、コーラン、ハディース、法学、神学、哲学、スーフィズム、シーア派、科学、芸術関連書籍が配架されており、文学部三号館図書室には、政治学、現代、歴史、旅行記、人類学関連書籍が配架されている。

 イスラム学のカリキュラムは概論、語学、演習、特殊講義、イスラム史概説からなる。概論は二種類、(I)(II)がある。それぞれの内容は異なるが、1年を通してイスラムの信仰や思想など内面的な事項と、儀礼や法などの外的な事項を広く浅く学ぶことができるようになっている。演習はアラビア語文献講読が主である。単にアラビア語の修得だけではなく、術語の理解、研究上の問題設定の仕方などを学ぶ。演習に参加するために、三年次にイスラム学専修課程に進学するまえに、アラビア語の初級を学習していることが望ましいが、諸種の事情によりそれが困難である場合には、三年次に本郷で開講されているアラビア語の授業に出席することで補うことができる。いずれにしてもアラビア語を学部の間に習得するのはかなり困難であり、簡単な読み物が読めるようになれば上出来というくらいの気持ちでいればよい。特殊講義では各教員の研究成果をもとにした授業が行なわれる。できるだけ多くのテーマに触れることができるように配慮してある。ここ数年の特殊講義で扱われたテーマは、神学、哲学、法学、ハディース、現代シーア派政治思想、近現代イスラム政治思想史である。ここでもやはり、全授業を通してイスラム学の大まかなところを一通り学べるように内容が選定されている。イスラム史概説では歴史学のなかでもより思想史に近い分野が講じられる。東洋史とイスラム学の中間の授業である。2013年度はオスマン朝史が中心であった。

 イスラム学での必修単位は全部で40。内訳はイスラム学概論4、イスラム史概説4、イスラム学特殊講義8、イスラム学演習8、アラビア語学4、卒業論文12である。できるだけ多様な単位の取り方ができるように他の学科の授業でもイスラム学特殊講義の単位となるように設定してあるものがある。詳細は文学部便覧を参照。またアラビア語学は語学としてのアラビア語の授業だけではなく、イスラム学演習の単位もアラビア語学の単位となる。

 卒業論文のテーマ設定は各自に任されている。そのテーマは非常に多岐に及んでいる。近年では、食物に関する禁忌、近現代イラン政治史、現代アラブ政治、スーフィズム、イスラム世界におけるチェス、イスラム金融論などがテーマとして取り上げられている。イスラム学での研究や卒業論文で使用する言語はアラビア語でなくてもよく、ペルシア語やトルコ語など他の言語を選ぶ学生もいる。先にも述べたように、イスラム学専修課程に進学して卒業するまでの二年間で、満足のいくレベルの卒業論文を仕上げることは難しい。対象とするテキストに歯が立たないという例がよくあるが、文献読解で困る場合には大学院生が一緒にテキストを読んでくれるので心配する必要はない。卒業論文作成上で困ったことなどいろいろと大学院生に相談できるので、その機会を是非、利用していただきたい。例年、卒業論文を執筆予定の学生に関しては、夏休みの前後に各一回、論文執筆の中間報告を兼ねた相談会が開かれ、この頃までに学生は論文の大まかな構想を固めていくことになる。

 なお、本専修課程では、卒業後の進路として、就職希望者が多数を占める。近年の厳しい就職事情のなかでも、就職希望者はなんとか就職先を見つけている。卒業生の就職先は、官公庁、情報通信関連や海運など多様な業種に及ぶ。

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