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スラヴ語スラヴ文学
肖像画および写真はロシアの作家たちです。
あなたは何人ぐらい名前がわかりますか?
.....答えはスラヴ研究室紹介文の末尾にあげてあります。
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スラヴ語スラヴ文学研究室はどんなところかといいますと ・・・・・
私たちの研究室では広くスラヴ世界の言語文化の研究に取り組んでいます。中心となるのはロシアの言語と文化ですが、その他、ロシアからドイツに至るまでのヨーロッパ中部、北はバルト海沿岸から南はバルカン半島まで、関心の対象はさまざまな地域に及んでいます。地域の多様さだけではありません。スラヴ諸語の比較、フォークロア文学、18世紀のバロック・古典主義文化、トルストイやドストエフスキイを生み出した19世紀、ソビエト期を挟む20世紀ロシア等、あるいは中欧とよばれるヨーロッパ中央域の言語文化、バルカン半島の言語など、時代とジャンルの点でも多様な研究テーマが私たちを待ち受けています。その中から自分のテーマを見つけだすことは大切な勉強であり、大きな楽しみでもあります。
スラヴ語スラヴ文学研究室は小さからず大きすぎずの規模の研究室です。そのせいか、教師と大学院生と学部生とを問わず、学問上の経験や専門分野の違いを超えた自由な交流を尊ぶという気風が根づいています。留学中の大学院生からの情報も大いに役立つはずです。また研究会や読書会では授業とは一味違う「スラヴ文化体験」をもつことができるでしょう。私たちのホームページを覗いて、ぜひスラヴ世界への一歩を踏み出してみてください。
私たちの研究室をもう少し詳しくご紹介しましょう ・・・・・
本専修課程の母胎は、初代主任木村彰一教授の下に1971年創設された「ロシア語ロシア文学」専修課程で、1994年「スラヴ語スラヴ文学」専修課程と名を改め、今日に至っています。すでに「ロシア語ロシア文学」の時代から、「ロシア学」は単にロシア一国を対象とするだけでは不十分であり、「スラヴ学」の視野からの研究が重要だという認識に立って、他のスラヴ諸国の文化に関する授業も積極的に開講してきました。そうした認識が専修課程名の変更に反映されたと言えます。ただし、学生諸君の関心の中心がロシア以外のスラヴ圏言語文化にある場合でも、ロシア語ロシア文学の知識が「スラヴ学」にとって重要な基礎をなすことは、やはり強調しておかなければなりません。その意味で、研究・教育の中心は従来通りロシアの言語文化に置かれています。
本専修課程の特色は、中世から近代・現代に至るまでの約1000年に及ぶこのロシアの語学・文学・文化を、時代的にもテーマ的にも幅広くカバーしている点にあると言ってよいでしょう。 ロシア以外にも、ポーランド語ポーランド文学、また旧ユーゴスラヴィア圏の言語と文化についての授業に力を注いでいます。また、チェコ語も、平成25年度より非常勤講師の出講をお願いして開設し、チェコ研究への入り口を開きました。なお、数年前から「教職科目」(中学・高校)としてのロシア語の履修が可能になっています。
駒場からの進学に当たって、第二外国語、第三外国語での習得にせよ独習にせよ、ロシア語の基礎的な学力を身につけておくことが望ましいのは言うまでもありません。ただ、基礎的学力が不十分な進学者には、本郷での勉学に支障をきたさないよう、予め研究室で助言や指導を行い、進学後は学習上のサポートも行っています。したがって、ロシア語の学力に不安を感じている方はぜひ早めに相談してください。学びたいという熱い気持ちで扉を叩けば、必ずや皆さんの前にスラヴの世界は開かれると信じています。なお、ロシア、スラヴ諸国の近代化に西欧文化はきわめて大きな役割を果たしてきました。ですから、英語、ドイツ語、フランス語など西欧諸語についての知識はスラヴ文化を学ぶ際に十分活かすことができますし、強力な武器になります。広い視野をもって、積極的にそうした知識を習得されるよう、お勧めします。

卒業生の進路に関していえば報道関係、国会図書館、一般企業等、就職先は様々で、習得した知識や語学力を生かしてロシア関係の仕事に就いている者も少なくありません。大学院進学者も一定数あります。ただ最近は研究・教育職を目指す者ばかりでなく、専門分野についての理解を深め、ロシア語力に磨きをかけて、修士課程修了後に就職する者も増加しているようです。多様な形の進路が考えられるようになってきたということでしょうか。いずれにしても、大学院は学問を究めたいという真の熱意を持つ人の研鑽の場であることを、十分認識してもらいたいのです。
スタッフからの自己紹介です ・・・・・
 金沢 教授 : 研究テーマのひとつはプーシキン、ゴーゴリからチェーホフにいたる19世紀ロシアの小説です。なかでも小説が飛躍的に成長を遂げたロマン主義の時代に関心があります。この時代はロシアが大衆レベルで意欲的に西欧文化を摂取した時代でもあり、ロシアと西欧のダイナミックな関わりを探ることができて、興味は尽きません。次に、ロマン主義の申し子であり、19世紀ロシアの代表的な小説家であるドストエフスキイの研究をライフワークとしています。特に、この作家の文体上の「癖」を調べるのが趣味です。その他、18世紀のロシア文化にも注目し、継続的に授業を開講してきました。「ロシア18世紀論集」の発行と日本18世紀ロシア研究会設立及び運営もこの領域での研究活動の一環です。特に日本18世紀ロシア研究会は歴史、言語、文学等、領域を異にする研究者が協力して実現した、極めて珍しい試みでもあります。いずれにしても、小説を楽しみ、小説の仕組みについて考える、というのが私の研究の原点であり、授業ではそれを共通の課題として、様々な視点から論じたいと思っています。
三谷 教授 : 言語学の立場から、中・東欧地域の言語と文化の諸相を研究しています。ロシア語に代表されるスラヴ諸言語は相互によく似ており、そっくりな単語をみつけることは難しくありません。しかしまた、現代語の語彙、語形、構文などを比較すると異なりも多く見られます。そうした共通性と異なりの起源や、それぞれの現代語に至ったプロセスを、文献の分析を中心に研究しています。またソルブ語、ルシン語など(こんな言語があるのをご存知できたか?)スラヴ系少数言語に関心をもち、現地調査をしながらその言語実態をあきらかにする研究も行っています。さらに、主要研究地域である旧ユーゴスラヴィア圏については、言語と社会や民族的アイデンティティの関係、また文学と地域の関わりといった問題にも関心をよせ、この地域の文学作品の翻訳も手がけています。言語学的基盤にたち、同時に、言語がそれだけで自立するシステムではなく、言語を使用する主体の意識やそれが使用される社会のあり方との相互作用によって構築される動態であるという視点をもちながら、多角的な言語文化研究をめざしています。

スラヴ世界に関心をもったなら・・・・・
「スラヴ」と一口で言っても、そこにはかなり多くの国家、地域、民族が含まれていますし、ジャンルも多様です。ですから文学、語学研究を志す人のほかに、思想に関心を持つ人、宗教や民族問題に興味を持つ人、スラヴ諸国の美術・演劇・音楽に魅せられた人など、様々な人々が私たちの研究室で学んでいます。私たちは学びたいと願う皆さんの熱意と自主性を受け入れられるふところの広い学科であると自負しています。
進学に関する相談には随時応じますので、遠慮なく問い合わせて下さい。また、ホームページが充実していますので、そちらでも研究会や講演会他、研究室の様々な活動についての情報が得られます。もちろん、直接研究室を訪問してくださっても歓迎です。それでは以下に連絡先等を掲げておきます。
肖像画および写真の人物名はこの下に。
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さて肖像画、写真の作家は上から順に・・・・・
N.M. カラムジーン(1766-1826):代表作は『ロシア人旅行者の手紙』『哀れなリーザ』等
A.S. プーシキン(1799-1837):代表作は『エヴゲーニイ・オネーギン』『ベールキン物語』等
N.V. ゴーゴリ(1809-52):代表作は『検察官』『外套』『死せる魂』等
I.S. トゥルゲーネフ(1818-83):代表作は『猟人日記』『貴族の巣』『父と子』等
F.M. ドストエフスキイ(1821-81):代表作は『罪と罰』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』等
L.N. トルストイ(1828-1910):代表作は『アンナ・カレーニナ』『戦争と平和』『復活』等
A.P. チェーホフ(1860-1904):代表作は『ヴァーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』等
肖像画、写真と並んだ答えは こちら から。
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