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超伝導もエキゾティック

高温超伝導の場合も、超伝導が生じる原因は、BCS理論の場合と同じように上向きスピンの電子と下向きスピンの電子がシングレットクーパー対というペアを作ることにある。そのペアの集団の作る巨視的な秩序状態が超伝導に他ならない。ところが、今までBCS理論で予測され、また従来のほとんどの超伝導体で見られるペアと違って、銅酸化物高温超伝導体の場合には風変わりなペアができていると信じられるようになってきた。従来のBCS理論でのペアは、ペアを作っている空間的な向きによらない等方的なペア(裏表のないペア)であり、これをs波の対称性と呼ぶ。これに対して、銅酸化物高温超伝導体の場合にはある向きのペアと、それと90度回転した向きのペアでは、ペアの符号(正負)が違う。これをd波の対称性と呼ぶ。d波の対称性では、ペアがくるっと90度回転すると、ペアの性格が変わるという、屈折した性格を持っている。この風変わりさを生じる原因は、電子がいつもひしめきあいながら動く強相関電子系なので、絶えず回りにいる電子を気にして顔色をうかがっているためであると考えられている。

クーパー対は大きさと正か負の符号をもっている。d波の対称性をもった超伝導ではペアの向きによってペアの大きさが変わったり、符号が変わったりする。

高温超伝導体物質の持つ特徴のその他の項目
  (クリックするとその項目に進めます)
(1)銅と酸素を含む層状物質
(2)電子間のクーロン相互作用の効果が重要な、強相関電子系
(3)常伝導のときの金属状態はどう奇妙なのか?
(5)銅酸化物超伝導の応用の可能性

 

 

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