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悪い金属

バンド絶縁体の近くの金属と比べて、モット転移の近くの金属は色々と奇妙な性質を示す。例えば
有効質量の増大
金属になりきらない金属、インコヒーレント金属
スピンや軌道自由度の強いゆらぎや相関
などである。
つまり、悪い金属のことが多い。
ところが、この悪い金属の相で興味深い現象が多く見つかっている。
例えば、、、、、

高温超伝導巨大磁気抵抗など。

特に高温超伝導はモット絶縁体にキャリアをわずかにドープ(注入)したときに生ずる。
悪い金属であることを示す具体的な指標は、温度に比例する電子比熱の係数γが大きく増大したり、光学伝導度で、ドルーデ重みが少なかったり、電気抵抗が相関のある電子系で標準的な温度の二乗に比例する形になっていないことなどである。実際、銅酸化物高温超伝導体では常伝導状態で電気抵抗が温度に比例したり光学伝導度にドルーデ成分が見られず、1eV程度の高振動数まで振動数の逆数に比例する伝導度が尾を引いているのがみられる。

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