薬化学教室 次ページへ
新しい有機分子構造が生み出す化学や機能を探求しサイエンスとしての一般性を追求する
構造有機化学のセンスで分子の形を考察し,創薬や生体物質に波及する独自の化学物質を合成する研究を行っています。

研究課題

1.

特異な構造特性を持つ分子の合成と応用(アミドの化学,水中で安定ならせん分子の合成,機能性NOドナーの合成)
2. 陽イオン中間体(ジカチオン)の化学:多官能基化された芳香族化合物の合成への応用
3. 特徴ある機能(生物活性等)を持つ有機分子の設計・合成・構造の研究:膜タンパク質の機能をコントロールするモデル分子のデザインと合成と機能;創薬へのインパクト
4. 理論計算を活用する構造化学・反応機構の解析・機能分子や生物活性物質の理論的な構造設計と機能予測,分子の動的挙動の解明、生物活性分子の設計

水中でも安定に存在するペプチド結合を持つヘリックス分子を作る


生体内分子を超越した有機分子を創製して、免疫制御の仕組みの解明に貢献しつつ創薬につながるモデル分子を提案する
 薬化学教室の研究目標は、新しい分子構造に由来する新しい化学現象の発見と機能ある物質の創製の融合化学(インテグレーション)の構築である。特にアミド及び関連官能基の非平面化を中心とする有機構造化学を基礎に置いた有機構造論の展開と機能性物質の合成を中心課題としている。つまり 分子の構造(形)が,化学反応性、結合特性、構造特性、生物活性などの物質の機能にどのような影響を与えるかの原理を追求するとともに,その原理を利用して機能の最適化や新しい機能を化学合成によって創造することである。私たちは常に「なぜ」そうなるのかという疑問を持ち、現象の単なる羅列を超えた概念の獲得に魅力を感じている。一方で私たちの3次元構造の認識力や電子構造に対する想像力には限界があるため,理論計算化学を利用した計算実験にも積極的に取り組み、実験結果と組み合わせて私たちの新しい化学概念の獲得に活用している。