このように学部独立によって、薬学の使命である秀れた医薬の創製と医療への応用をめざしたバランスの とれた基礎研究・教育体制が敷かれたが、さらに近年における学問・技術の急速な進歩、高度化に対応し て、大学院教育の充実強化による秀れた人材の育成をはかるべく、昭和51年(1976)従来の2専門課程に 加えて、大学院生命薬学専門課程を増設、薬害研究施設の2部門、毒性薬理学(1966)生体異物・免疫化学(1971)および新設の薬品代謝化学(1976)の3講座を基幹講座としてスタートした。これに伴い前期 施設は発展的に解消した。さらに平成6年度進学生より学部定員を80名に増加し、また講座も2寄付講座、 医薬分子設計学(1990)、機能病態学(1992)に加え薬品分子機能学講座(1992)が、生命薬学専攻課程に 相関医薬化学講座(1994)が新設された。また平成8年度に教育の多様化と統合化を図るため、既存の2 学科を統合し、薬学科1学科に改組した。さらに柔軟な教育研究体制の確立のため、既存の小講座を5つ の大講座に改組し、医療薬学講座に臨床薬学専門分野を新設したことにより、近年の薬学領域の進歩、拡 大に対応すべく研究・教育体制の充実がはかられた。そして、平成9年度には大学院重点化により薬学部 は大学院薬学系研究科・薬学部として整備充実がはかられ、大学院学生定員の大幅増と専攻の再編により 分子薬学・機能薬学・生命薬学の3専攻体制となった。また、平成13年度には重要な疾患の治療薬のシー ズを大学院薬学系研究科の総力を結集して探索することを目的に創薬理論科学寄付講座を設立、さらに、 新規医薬の経済学的評価法に関する学問を発表させることを目的とした医薬経済学寄付講座を設立した。 平成14年度には大学と社会との産学連携を推進し、実りある価値を創造するための「新しい伝組み」を開 発・提案することを目的としたファーマコビジネス・イノベーション寄付講座を設立、さらに平成15年度 には、日本のトップレベルの製薬企業との連携により真のサイエンスとしての創薬科学を建設し、日本初 の優れた医薬品シーズを発見することを目的とした創薬科学連携客員講座が新設された。