薬用植物化学教室 前ページへ 次ページへ
古くて新しい薬“薬用植物(生薬)”を総合的に解析し、新たな利用法を開発する (附属薬用植物園)
キーワード:薬用植物,生薬,植物組織培養,二次代謝産物,生合成

研究課題

1.

薬用植物の栽培と組織培養
2. 植物組織培養技術を利用した有用二次代謝産物の生産
3. 植物由来生物活性物質の化学と生合成

 人類にとっての薬は有史以前から主として植物が用いられ、長い間の試行錯誤(人体実験)により淘汰され、残ったのが現在の生薬と考えることができる。近年、抗生物質や生物製剤の割合が増えてきてはいるが、植物由来の医薬品の重要性が減るものではなく、新たな医薬品としてタキソールやビンブラスチンなどが発見されている。このように、薬用資源としての植物の研究はすでに完結したものではなく、未だ発展途上である。
 薬学系研究科附属薬用植物園は検見川総合運動場に隣接しており、昭和48年に正式に設置された。当時移植した苗木たちも大きく成長し、園内を囲むように鬱蒼と茂っている。
 本郷の研究室では植物組織培養技術を利用した有用二次代謝産物の生産に関する研究(培養細胞の誘導から物質生産まで)を行っている。現在進行中の研究課題としては、カヤ、スギなどの裸子植物培養細胞のジテルペン成分の生合成、トリカブト培養組織によるジテルペンアルカロイドの生産と生合成、オリーブ培養細胞によるフェニルエタノイドの生産と生合成、エジプト産薬用植物の生物活性成分の組織培養による生産などがある。


第1温室(検見川)

ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis Fisher) 根およびストロンに甘味物質glycyrrhizinが含まれる