生体異物学教室 前ページへ 次ページへ
グライコサイエンスを通して免疫と病態を捉え直し、診断と治療に役立てる
免疫学、腫瘍学、感染症学、診断と治療への応用が主な研究対象です。世界に類のないユニークな研究室です

研究課題

1.

糖鎖提示分子(ムチン:特にMUC21)に関する研究
2. 糖鎖認識分子(レクチン:特にMGL/CD301)に関する研究
3. 糖鎖分解酵素(グリコシダーゼ:特にへパラナーゼ)に関する研究
4. 癌転移形成の分子機構解明とワクチンによる癌転移治療法の開発

 私共は、細胞核にある遺伝子を中心とするこれまでの分子生物学とは視点を変えて、細胞や生き物の表面に存在する分子である糖鎖を中心に生き物の触れ合いや免疫現象を解きあかそうと考えています。生き物や細胞の触れ合いの場における主役である糖鎖提示分子(ムチン)、糖鎖認識分子(レクチン)、及び糖鎖分解酵素(グリコシダーゼ)は、多様な構造と認識特性を通して、生き物の形づくり、恒常性の維持、病態に大きな影響を与えると考えます。ウイルス、細菌、原虫等が感染する時、癌細胞が転移巣を形成する時、免疫応答の結果身体の局所で防御反応や炎症が起こる時、これらの分子の構造、機能、生合成、時間空間的な位置の調節が、健康か病気かを左右する重要な鍵を握っていると考えられます。これらを具体的に明らかにし、そのメカニズムの解明を通して病気の診断と治療に役立てることが、私共の使命です。