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3つの相転移と強い電子間相互作用

 結晶中の電子は、規則正しく並んだ原子核による周期的なポテンシャルエネルギー中を運動している。この電子の運動を決定するには、原子核との相互作用だけでなく電子どうしの間のクーロン相互作用を考慮する必要があり、これは本来、多体粒子系としてとりあつかう必要がある。クーロン相互作用によって強い相関を持った電子系を強相関電子系あるいは強い電子相関を持った系ともいう。「高温超伝導」はこの強相関電子系を舞台に生じていることがわかっており、超伝導メカニズムの解明のためにも、強相関電子系の性質を良く理解することが求められている。

「高温超伝導」の起きている銅酸化物では、下図のように3つの相転移が互いに絡み合いながら主役を演じている。その第1は言うまでもなく超伝導相転移であり、残りの2つは、反強磁性相転移金属絶縁体転移である。理論的研究でもこの3つの相転移の本質をどう把えるかが最も重要な課題である。

         銅酸化物高温超伝導体の基本的な相図と3つの相転移

 実際,この系で超伝導の生じる舞台は大変特徴的である。まず超伝導相の近くに反強磁性をともなっていることが特徴である。反強磁性相はモット絶縁体なので、モット絶縁相のすぐ近くで超伝導が生じていることになる。また超伝導相は2次元性の強いきわめて異方的なものである。このため従来の物性物理学の異なった分野に属していた、磁性、超伝導、誘電体、低次元物性といったほとんどあらゆる領域とかかわりを持つ問題となった。

 強相関電子系の問題は高温超伝導の発見も契機として、特に最近になって脚光をあびている問題である。しかし、d電子系を中心としてその研究の歴史は古い。金属強磁性の問題、金属絶縁体転移の問題など、量子力学の成立以降、継続して追究されてきている。

銅酸化物高温超伝導体のその他の項目
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結晶構造、電子構造の特徴と超伝導の舞台

 相図の特徴 -- 絶縁体から金属へ --

 異常な常伝導金属相

 擬ギャップ

 超伝導秩序の対称性がdx2-y2となる
 エキゾティックな超伝導

 

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